農園日記

いちじく農家の収穫から出荷までに密着!夫婦二人三脚の小出農園

「いちじくってどうやって収穫されているんだろう」そんな疑問を解決するため、小出農園のある一日の収穫から出荷までの様子を長男である筆者がご紹介します。

美味しいいちじくを届けようとする小出農園のこだわりを少しでもお伝えできれば嬉しいです。

1.朝5時から収穫開始

小出農園では最も美味しい”朝に樹で完熟したいちじく”をその日のうちにお客様に届けることにこだわっており、”朝採れ完熟いちじく”という名前で商品化しています。

お店の開店時に朝採れ完熟いちじくを並べるため、朝5時から収穫作業を開始します。

 

1-1.身支度を整える

いちじくは収穫した部分から白い液(タンパク質を分解する酵素)が出てきます。それが直接肌に触れてしまうと痒みや痛みが発生してしまうので、収穫の際は肌の露出を防ぐ必要があります。

まず、薄いゴム手袋をつけます。

次にその上から薄手の手袋をします。分厚い手袋1枚でも良いのではと聞いたところ、いちじくの感触をしっかりと感じ取って完熟したいちじくを見極めるためのこだわりとのこと。

そして腕カバーをつけて、

腕カバーをつける

帽子を被れば身支度完了です。

帽子を被れば完了

1-2.いざ収穫!

色付き具合などを見ながら、完熟いちじくを見極めていきます。

いちじくは痛みやすいので感触を確かめるのは最終確認のみ。触れる回数は極力少なく、触れるときもできる限り優しく扱います。

完熟いちじくを見極める

これはまだまだ未熟。

未熟ないちじく

このぐらいが美味しい完熟いちじくです。

完熟したいちじく

一つ一つ丁寧に収穫していきます。

一つ一つ丁寧に収穫

畑の隅々までチェック。

隅々までチェック

こんなについている実が一度にではなく、毎日少しずつ熟していくって不思議ですね。11月くらいまで収穫できるそうです。

たくさんついているいちじくの実

この日、収穫したいちじくがこちら。最盛期にはもっと数が増えるそうです。

この日収穫したいちじく

1-3.水やりもしっかり行います

密着したこの時期は一ヶ月近く雨が降っておらず、収穫に併せて水やり作業も行っていました。

水やりを行う時間帯は早朝か夕方。夕方に行うのがいちじくにとって理想的だそうです。一本一本、成長の様子や土壌の様子を見ながら適切な量の水を与えます。これも美味しいいちじくのためのこだわりですね。

一本一本に水をやります

もともとはお米を作る水田だった小出農園のいちじく畑。米作りにも適していた美味しい湧き水を組み上げて、いちじくにあげています。

朝から30度近い猛暑日でしたが、冷たくて気持ちいいお水で、いちじくも喜んでいたことでしょう。

湧き水を組み上げるホース

小出農園のいちじく畑(第一圃場)の全景はこちら。水田に囲まれており、遠目にもすぐ分かります。

水田に囲まれたいちじく畑

2.収穫してきたいちじくを選別

収穫を終え、作業場を兼ねた自宅に戻ってきたら、選別作業に入ります。

選別作業を行います

2-1.一つ一ついちじくをチェック

重さや熟し具合、表面の傷を一つ一つ入念にチェックします。傷つけないように細心の注意を払います。

一つ一つチェック

規定の重量になるよう組み合わせて容器におさめていきます。この秤は「音声ランク選別機 “ランクNAVITM2”」というそうで、いちじくを手に取るだけで、その重さに応じて「L」「2L」「M」などランクを音声で知らせてくれる優れものです。

全て手作業で計っていた昨年に比べ大幅に効率が良くなったのはもちろんのこと、いちじくに触れる回数を減らすことができたため、より良い状態のいちじくをお客さまに届けられるようになったとのこと。商品ごとのいちじくの大きさのばらつきも少なくなるなど良いこと尽くしのランクNAVI、今では選別作業に欠かせない相棒です。

規定の重さになるようにする

商品らしくなってきましたね。

美味しそうないちじく

2-2.セロファンを被せラベルを貼る

選別が完了したら、次にセロファンを被せます。これは母が担当。

セロファンを貼る

父がラベルを貼り付けて、朝採れ完熟いちじくの完成です。ちなみにこのラベルは次女(私の妹)のデザインです。家族総出ですね笑

ラベルを貼り付けて完成

完成した朝採れ完熟いちじく

先程の選別で弾かれてしまったいちじくでも、コンポートやジャムにすれば美味しく食べられるいちじくは「コンポート用」や「ジャム用」として商品化しています。こちらは「コンポート用」のいちじく。

コンポート用いちじく

コンポート用いちじくの口を止めているテープは、小出農園こだわりのクラフトテープ。

よくあるテープはハサミで切る必要がありますが、このテープなら手で簡単にちぎれて便利なんだそう。良いですよねこれ。

クラフトテープで口をとめている

これで出荷準備完了です。

出荷準備が整った朝採れ完熟いちじく

3.10時の開店に間に合うように販売店に納品

準備が完了した朝採れ完熟いちじくを、販売させていただいているお店に納品しにいきます。

この日は、イオンタウンおゆみ野店のわくわく広場様に納品しました。

納品の様子

バーコードをプリントアウトし朝採れ完熟いちじくに貼っていきます。

これで納品完了です。畑から収穫するところから見てきたいちじくが店頭に並ぶ様子は、なにか感慨深いものがあります。

この日はオープン前に納品できましたが、収穫量や天候によってはオープン後の納品になる場合や、納品できない日もあるそうです。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。小出農園のいちじく収穫から納品までの密着レポートをご紹介いたしました。夫婦二人三脚で美味しいいちじくをお客様に届けるため、一つ一つの工程に楽しくこだわりを持って取り組む様子が少しでも伝わると嬉しいです。

ちなみにこの日納品した朝採れ完熟いちじくは、わずか2時間ほどで完売になったそうです。ありがたい限りです。

出荷情報は父が更新するこちらのInstagramで発信していますので、是非チェックしてみてくださいね。

  • この記事を書いた人

いちじく農家の長男

小出農園の長男です。いちじくについて分かりやすく伝えられるようがんばります。

-農園日記